留学時代に購入した本をパラパラみていたら、久々に海亀(Haigui)という単語が目に飛び込んできた。
本書では中国でイノベーションが起きやすい要素の一つに、「海亀が人材資源として機能していたこと」を挙げている。
今日は海亀の現状と彼らの行方について追ってみたい。
1. 中国における海亀とは?
中国語の"海外から戻る"という意味の「海帰(haigui)」の発音と、
「海亀(haigui)」が似ていることから、海外留学し自国に帰国する若者を海亀と呼んだ。
国内で起業する若者も多く、Baiduなどの検索サイトも海亀から生まれた。
中国経済の発展、イノベーションの裏には彼らの存在があったのである。
Economistの記事によると、最近では海亀は労働市場において力を失ってしまったようである。
景気後退、国内組の熾烈な就職戦争などにより、中国に帰国しても就職先がなく、就職浪人する学生が増えている。
最近では仕事が見つからない海亀を、海帯(haidai 昆布)と呼ぶことがある。(中国語の「待dai」を同じ発音の「帯dai」と置き換えた言葉)
現在は中国国内でも有力MBAが増えているし、国内で学んだ学生の方がアメリカ帰りの海亀よりも、中国市場に精通していることや、また企業文化についても合いやすいため、企業は国内学生を優遇しているとの声もある。
3. 海亀、海帯は世界で職を求めている
上記の現状から、最近では海外の大学を卒業したあとも、現地に残るケース、また母国以外で仕事を探すケースが増えている。
この現状は我々日本人にとっても、他人事ではない。
彼らは中国国内よりも年収を高く提示する日系企業にも就職先を求めて、門をたたいている。
日本の労働市場においては、「日本語」という壁で守られているものの、労働マーケットにおける彼らとの椅子取りゲームはすでに始まっている。
以上、海亀に関するエントリでした。
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